グルイン&対面インタビュー調査で、顧客満足度改善に向け具体的改善策を明確化
クライアント | 運輸・交通サービス会社 |
---|---|
目的 | インフラの分野においても顧客満足(CS)を重要視する声が高まってきた。そこで、鉄道会社としても利用客の満足度や不満点を詳細に把握し、CSを根幹に組み込んだ戦略計画策定に取り組んでいきたい。 |
業務サポート領域 | 顧客満足度調査(CS調査)
|
運輸・交通サービスを手がけるクライアントにおいて、単なるインフラ整備にとどまらず、顧客満足度(CS)を向上させ、より価値の高いサービスを提供することが求められるようになりました。これは、今後の経営戦略において顧客満足度向上を根幹に据えるという重要な転換を意味しており、顧客のニーズを的確に捉えた改善が急務となっています。
そこで、まずサービス利用者の満足度調査を行い、現状を把握しつつ、具体的な改善施策を導くことが不可欠です。しかし、運輸インフラという特性上、利用者数が非常に多く、性別・年齢といった属性も広範囲にわたるため、調査結果の代表性を確保するための工夫が必要でした。
CS調査の流れ – 定量調査とグルインを実施
●定量調査
最初に実施したのは、約3週間にわたり、サービス利用者に対して対面インタビュー形式で行った大規模な定量調査です。調査は、利用現場にて行い、出口調査の形式で実施。インターネット調査では回答に偏りが発生するリスクがあったため、現場で直接利用者に接触する方法を選択しました。約10,000のサンプルを集め、性別や年齢層に偏りのない回答者特性を網羅しました。これにより、全駅・全路線における利用者の満足度や不満点を幅広くカバーし、調査結果の代表性を確保しました。
●仮説構築
定量調査の結果をもとに、データ分析を実施し、顧客満足度に最も大きな影響を与える優先改善項目を抽出しました。このプロセスでは、サービスのどの部分が最も満足度を押し上げる要素であり、逆にどこが不満の要因となっているのかを特定。これに基づいて、改善仮説を構築し、次のステップである詳細なニーズの深堀りに繋げました。
●グループインタビュー(定性調査)
次に、定量調査で得られたデータと仮説を踏まえ、利用者のグループインタビュー(グルイン)を実施しました。この定性調査の目的は、仮説に基づいて具体的な改善施策を導くために、利用者が持つ詳細なニーズや不満を深掘りしてヒアリングすることです。顧客満足度向上に向けた施策を策定するためには、単に数値データに留まらず、利用者の声を直接反映させることが重要です。
このグループインタビューでは、利用者がどのような体験を重視しているのか、また、日常的な利用シーンにおいて改善を求める点を具体的に明らかにすることができました。これにより、クライアントが持つインフラの強みを活かしつつ、どのような形で顧客体験を向上させるべきか、具体的なアクションプランを構築しました。
出口調査およびグループインタビューを通じて得られた結果を分析し、利用者が抱く満足度や不満点を幅広く網羅することで、調査結果に代表性を持たせました。その後、定量調査で得られたデータをもとに構築した仮説に対して、グループインタビューで得られた詳細なニーズを加味し、具体的な改善策を導出しました。
これにより、運輸・交通サービスにおける顧客満足度向上に向けた具体的なアクションプランが明確化され、クライアントは今後の経営戦略にCS向上を組み込むための強固な基盤を得ることができました。調査の代表性と深いインサイトを両立させたこのアプローチは、今後のカスタマーエクスペリエンス(CX)改善において重要な役割を果たします。