【業界|製造・販売・物流】経営層と現場が一体となり、企業ブランドを体現する「あるべき姿」と「行動指針」を再定義したインナーブランディング支援事例

従業員巻き込み型ワークショップによるMVV策定とフィロソフィーツリー構築事例
クライアント 製造・販売・物流(BtoB)
目的 強固な会社・組織・ブランドづくりに向けた、企業アイデンティティ(MVV)の再定義と行動指針の策定。特に以下のような課題認識がありました。
・「原点となる価値観(コア・フィロソフィー)」は存在するものの形骸化しており、日々の業務で体現されていない
・従業員意識調査(ES調査)の結果、理念やコンセプトが現場に浸透していないことが判明した
・社員が自社のブランド(らしさ)を正しく理解し、立ち返るべき明確な指針がない
・経営陣が一方的に与えるのではなく従業員が納得・共感できるプロセスで策定したい
業務サポート領域 ・全体設計・プロジェクト設計
・従業員参加型ワークショップ(全5回)の企画・ファシリテーション
・経営層と現場の意見集約・ギャップ分析
・MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)および行動指針の言語化
・フィロソフィーツリー(理念体系図)の構築

本プロジェクトのクライアントは、法人顧客向けに素材の製造・販売・物流を担うBtoB企業です。
同社では周年を機に新たな経営戦略策定・ブランド強化に向けて、先行して「従業員意識調査(ES調査)」を実施し、組織の課題とポテンシャルを可視化しました。本プロジェクトではそのネクストアクションとして、調査で浮き彫りとなった「理念の浸透不足」や「組織の軸の不在」を解決すべく、企業のアイデンティティとなるMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)と行動指針(フィロソフィーツリー)を新たに策定・浸透させるインナーブランディングを支援しました。

目次


▶「原点となる価値観(コア・フィロソフィー)」を活かし、時代に合わせた「行動指針(フィロソフィーツリー」へアレンジ

同社には既に「立派な原点となる価値観(コア・フィロソフィー)」が存在していましたが、現状の業務や社会性と必ずしもリンクしておらず、現場での体現が難しいという課題がありました。
類似したメッセージが乱立することは現場の混乱を招くため、「原点となる価値観(コア・フィロソフィー)を否定せず尊重する」ことを前提としました。その上で、原点となる価値観(コア・フィロソフィー)と現状のギャップを紐解き、時代や社会性を踏まえた現代的な解釈(アレンジ)を加えることで、従業員が「自分はこういう点を重視して働くべきだ」と腹落ちできる具体的な行動指針へと落とし込むアプローチを採用しました。

▶現場と経営ボードが一体となる「全5回のグループセッション」

企業ブランドを強固にするためには、社員一人ひとりがブランドを体現する当事者になる必要があります。そのため、経営層からのトップダウンではなく、現場の従業員メンバーを巻き込んだワークショップ(1グループ5~6名)を全5回にわたり実施し、行動指針をボトムアップで構築しました。

【第1回:長年大切にしてきた「原点となる価値観」の現状把握とギャップ分析】
 ・現在の価値観が現場でどのように使われ、どう捉えられているか(セッションメンバー目線・全従業員目線)をヒアリング。
 ・現状の業務実態と、本来の価値観との間にギャップが生じている「根本原因」をディスカッションし、課題を直視。
【第2回:顧客に対して提供できている「ならでは」のベネフィットの再発見】
 ・競合他社ではなく、同社が顧客から求められている独自の価値(期待・要望)とは何か。
 ・その「ならでは」の期待に応えられている源泉(なぜそれが提供できているのか)を言語化。
【第3回:価値を体現する「優秀な従業員」の行動特性の紐解き】
 ・顧客や社内から高く評価されている従業員は、対顧客・社会・利益に対してどのような意識や行動を重視しているか。
 ・「なぜその人にそれができるのか」、逆に「できない人はなぜできないのか」まで深く掘り下げ、再現性のある行動特性(コンピテンシー)を抽出。
【第4回:従業員意識調査を踏まえた、バックキャスト(逆算)視点での「目指したい姿」の策定】
 ・先行して実施した従業員意識調査(ES調査)の結果を踏まえ、「現在の意識状態を放置した場合の問題点・リスク」を共有。
 ・同社が未来に向けて目指したい理想の状態を描き、そこから逆算して「理想を実現するための具体的なアイデア」を議論。
【第5回:「原点となる価値観」に基づく行動指針(フィロソフィーツリー)の統合・完成】
 ・第1回〜第4回の議論を統合し、同社のメンバーが取るべき具体的な行動(対社外・対社内)を整理。
 ・「らしい」意識・行動の基準を「フィロソフィーツリー(理念体系図)」としてアウトプット。

▶ゴール:誰でも立ち返れる「フィロソフィーツリー」の完成

プロジェクトのアウトプットとして、同社独自の「フィロソフィーツリー」を完成させました。
これは、「私たちはどのような企業理念・ビジョンに基づき、お客様にどのようなベネフィットを提供するのか。そのために従業員はどう行動するのか」というアイデンティティを一目でわかる構造にしたものです。
また、本プロセスは経営主導のトップダウンではなく、現場メンバーを主体としたボトムアップで構築したことで、単なる理念整理にとどまらず、従業員自身が納得感を持って受容できる実践的な行動基準として定着する基盤を形成しました。
その結果、社外からは「同社はこういう価値を提供してくれる」と期待され、社内では「日々の業務の原点」として誰でも立ち返ることができる、組織の確固たる軸(インナーブランド)を構築することができました。
さらに、本取り組みにより、企業理念・MVVへの共感を起点とした人材獲得および定着の強化、入社後のミスマッチ抑制とエンゲージメント向上への寄与が期待されます。加えて、行動指針の明確化により従業員の自律的判断を促進し、組織全体の意思決定スピードや生産性向上にも資する成果となりました。

●こんな方におすすめ●

・周年(20年・50年・100年)や事業転換を機に、自社のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を見直したい
・昔からある「社是」や「企業理念」が形骸化しており、現代に合わせて再定義したい
・経営陣だけでなく、現場の従業員を巻き込んだボトムアップ型の理念策定を行いたい
・従業員意識調査(ES調査)の「やりっぱなし」を防ぎ、具体的な改善アクションに繋げたい
・社員が自社のブランドを体現するための「行動指針」や「フィロソフィーツリー」を作りたい

カテゴリー: BtoB