離脱予備軍の傾向を捉え、顧客接点ごとのCXを可視化することで改善アクションを導出する顧客満足度調査
| クライアント | HRサービス提供会社 |
|---|---|
| 目的 | ●導入企業の担当者が持つ不満や潜在的なニーズをみえる化し、離脱抑止・継続率向上へつなげたい ●適切な回答率を確保し分析に耐えうるデータとしたい ●調査結果を営業部門が活用できる状態にしたい ●営業バイアスを軽減した客観的なデータが欲しい |
| 業務サポート領域 | ●設問設計 ●回答ツール選定(要件定義含む) ●回答画面構築 |
本プロジェクトのクライアントは、従業員のエンゲージメント向上に向けたサービスをはじめとしたさまざまな人事・総務向けソリューションを提供するHR系の大手企業です。
顧客満足度調査は過去数年にわたり実施しているものの、分析や意思決定に耐えうるデータかどうかを含め回答率が適切であるかがわからないことや改善アクションにつなげられず調査をやりっぱなしにしてしまっているという課題がありました。
そこで、初年度は回答負担の軽減などにより回答率の向上を図るとともに、潜在的な離脱予備軍の傾向把握と要因の整理につながる支援を行いました。
本案件において回答率を重視する理由
回答率の改善を重視したのは、単に回答数を増やしデータとしての正確性を向上させるためだけではありません。本当の意図は、回答を一部の顧客層に偏らせずに広く捉えることで、目的である離脱防止と継続率向上へつながる示唆を得ることにあります。
ロイヤル層の評価だけ、あるいは不満層の声だけでは強みと弱みのどちらか一方に情報が寄りやすく改善の優先度を誤りやすくなりますが、幅広い顧客から回答を得られる状態をつくることで、ロイヤル層が高く評価している価値と非ロイヤル層や離脱予備軍が不足と感じている点の差分が明確になり、強みの再現と弱みの改善を同時に検討できる土台が整います。
特に本案件のクライアントのように業界内でのシェアが高い事業では、離脱を抑えるだけでなくロイヤル層をどう伸ばし推奨意向を高めるかが成長の要となるため、回答率はその判断材料の質を左右します。
回答負担を取り除き、回答率を底上げする調査体験の再設計
そのような中で、回答率の伸び悩みを解消するため最初に着手したのが、「回答者負担の軽減」と「迷わず答えられる導線づくり」です。
前年までの調査をベースに途中離脱が起きやすい箇所を洗い出し、回答所要時間が最大20分以上かかる状態から最大10分程度で回答できるよう再設計しました。
設問・選択肢は抽象表現を避け、担当者が自社の状況を具体的に想起しながら判断できる文言へ整えています。自由記述も、否定的なクレームを誘発する聞き方ではなく、改善のヒントが得られる形で意見が集まる問いへ調整し、声の量と質の両立を図りました。
さらに、専任対応・サポートデスク対応等のカスタマーサクセスの提供内容が契約形態によって分かれる実態を踏まえ、該当設問を出し分けることで回答者の混乱を防止しました。
回答画面についても、ばらついていた聴取順をテーマ別に並び替え、必要に応じてサービス画面の補足画像・説明を挿入することで回答の難易度を低減しています。
これらの見直しにより、回答率は前年比で2倍以上に改善し、同社が実施してきた顧客満足度調査の中で最も高い回答率となりました。
離脱や継続につながる要因や傾向をとらえ、改善アクションのヒントを導出する設問設計
調査を「実施して終わり」にせず、改善につなげるための設問設計も見直しました。
サービスメニューの充実度、システム利用時のUI/UX、営業/サポートデスク対応など、サービス全体における顧客接点ごとに、担当者が持つ「期待」と「実際の評価」、およびその理由を聴取できるように設計。これにより、評価の良し悪しだけでなく、どの接点にどのような満足のギャップがあるかを把握しやすくしました。あわせて、継続意向・推奨意向などの総合指標との相関も確認できる形とし、改善ポイントの優先度を検討できるようにしています。
また、継続契約において担当者が重視する点について仮説を立て、選択肢として設定。その回答傾向と総合指標の関係から、離脱予備軍に見られる特徴や傾向を導出し、潜在的な離脱リスクの把握につなげられるようにしました。
「やりっぱなし」で終わらせない、経年での調査設計と満足度向上サイクルの構築
支援初年度は全体感の“見える化”と“回答率の改善”を優先し、回答負担の調整や設問・画面設計の見直しを通じて、次の検討に使える状態を整えました。
次年度以降は、初年度に得られた示唆を踏まえ、より具体的な仮説を置いた設問で検証し、満足度向上に向けた改善アクションの導出までつなげるべくサポート中です。
マインドシェアでは、経年での満足度向上に向けて、調査の実施にとどまらず、満足度向上サイクルそのものの設計・運用を伴走支援可能です。調査結果を十分に活用できていない、継続率向上につなげたいといった課題がある場合は、是非一度、当社へご相談ください。
